東の白檀 西の薔薇

頭痛持ちによる記憶と香りのむすびつき

所持してるFUEGUIA1833の感想① ビブリオテッカデバベル、ショコアトル、キロンボ

思うところありすぎる日々をお過ごしの皆さん!!あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくおねがいいたします。
マジでムカつくことも多いけど、今はREIWA!
ダイバーシティコンプライアンス
♪REIWAの鐘は 君の 胸に 響くよ〜
LA 〜LA LA LA〜の精神です。


さて最近、所持してるフエギアのボトルも少しずつ増えてきたので、
まとまった文章で感想書きたいなーと思っており、気を紛らわしたいこのタイミングを選びました。

私はウッディスキンのようなので香り方が異なる人も多いとは思いますがいつかどなたかの参考になれば…。
書きやすい順なので入手順ではありません。

①はビブリオテッカデバベル、ショコアトル、キロンボの感想です。



① ビブリオテッカデバベル 2-16
小分けを頂いたあとにその方からお譲りして頂いたボトル。ありがとうございます。もう大好きですこの香り。
ジュリアンが初めて作ったのが確かこのバベルの図書館。
たまたまうちにボルヘスの短編集があってバベルの図書館が入ってたので読んでみたけど難解でした。時を置いて読み返したらわかる日が来るかな。
象徴的な話の多いヘミングウェイの短編集でさえ私には難解と感じたので、ボルヘスなんてまだまだ早かった……。笑
しかしボルヘス短編集、買った記憶ないんだけどいつ手元にきたんだろう…。

香りは、年季の入った図書館の、皮表紙と、埃と、古い木の床の匂いがします。あとシナモンがかなりアクセントになってるんだけど、この古い建物の中で香るようなシナモンがね、なんかこう、古い記憶の扉を開けるんだよね。
シナモン好きになったのって二十歳超えてからだから、私の幼少期の「図書館の記憶」とシナモンの香りって結びつかないはずなんだけど、プルースト効果って、間接的な引き金にもなるのか。



② ショコアトル 1-16
この世には素晴らしいマリアージュが数々ある。
白米と焼き秋刀魚。
日本酒となめろう
赤ワインとラム肉。
アンチョビとキャベツ。
塩とキャラメル。
タツと蜜柑。
坂本真綾鈴村健一

そして、、、
カカオとラム酒

好きでない、わけが、ない……。
日本酒となめろう並みの威力ですよ。
合わないはずが、ない……。
私の肌だとラムというよりはかなり酸味のあるフルーツの香りが立ちますが、それでも尚〜〜!!好きな香り〜!!
これね〜!フルーツとしてのカカオの香りよね〜!
私は香水の他にチョコレートが好きという嗜好もあるんですが、高級なね、ショコラって、カカオの酸味が生かされていることが多くて……この…香りするんですよね………。
ムスカラカカオは「チョコレート」感が強いけど、
ショコアトルon私だと「カカオ」って感じです。はぁん。そこがいい。(バニラはラスト以外は行方不明)
夫につけるともっとラムがでるのでほんとに個人差ありそう。
一番好きなのは紙に吹き付けたときの香りだな。ラムとカカオのバランスがすごくよい。

グルマン系の香りを嗅いだときの「いい匂い〜(目がハート)」な香りもするんだけど、
高音域の香りが、脳天を貫くようにスッと通過していくのがクセになる。



③ キロンボ 2-16
甘い練乳の香り。これをつけてたら若い男の子(中学生)に「砂糖の匂いがする!」と言われたことがあって「鼻がいいな…」と感心した記憶がある。

キロンボはとにかく精神を安定させる。
不安定な時も、仕事に行きたくない時も、体調が悪い時も、お腹にワンプッシュ、それでかなりMPが回復する。

もうポーションとか「やくそう」並みの効果がある。

でも甘ったるい、という感じでもないし、甘いだけでもない。
例えばミルキーの香りのフレグランスはかなり「甘い」素敵な可愛い香りだから、当然印象として強いのは「甘い」「ミルキーそのもの」というところ。
(大好きでボトル持ってるけどストック買おうか悩んでる)

一方キロンボは、甘いけど、なんかちょっと鼻の奥がツンとする。
泣く前みたいな。
フエギア特有の何かが……働いている……。

以下長いのでお暇な人がいらっしゃれば。

調べればわかることだからあまり説教じみた長い説明をしたくはないんだけど、キロンボって奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられたアフリカ人による集落の総称なんですよね。そこで作られていたお菓子の香りを表現したのが香水としてのキロンボとのこと。

大事なのは、サトウキビってアフリカ原産の植物ではないんですよ。
世界的な貿易もされてない時代だから自然に広まったわけでもない。だからキロンボにいた人たちにとって別に故郷の味でも祖先の味でも伝統の味でもなんでもないわけ。

ではなんでカリブ海周辺や南アメリカ大陸にサトウキビがあるかというと、16世紀ごろにヨーロッパ人が、現地人や、アフリカから「運んで来た」アフリカ人を奴隷として使って、三角貿易に欠かせない世界商品となるサトウを作らせていたから。
18世紀にもなれば当然「新しい味」ではなくなってるだろうけど、暗い歴史は変わらない。

そんな、自分たちや「運ばれてきた」祖先が作らされていた、サトウキビを使ったお菓子を食べていることの強さ、生命力を(誠に勝手に)感じる香りでもあります。いくら暗い歴史があっても美味しいもんね、砂糖菓子。

そんな背景を含めて香水としてのキロンボが好きです。


砂糖について詳しいことは歴史の教科書を読むか、参考にしたこの本を読んでね。
『砂糖の世界史』川北稔、岩波書店、1996年