東の白檀 西の薔薇

頭痛持ちによる記憶と香りのむすびつき

フレデリックマル ユヌローズ : 真紅のバラの人

薔薇畑に、ローズガーデンに行ったことがあるだろうか



(以前行ったフラワーガーデンの写真。筆者撮影)


こういう…素敵なローズガーデンに……
行ったことがあるだろうか………


バラの香りの商品は数多くある。
星の数ほどあるといっても過言ではないと思う。

そんな数多あるバラ香水のなかでも、写真のようにはっきりと風景を描写し、また、くっきりと花の輪郭を表してくれるものは多くないと思っている。

フレデリックマルのユヌローズは、私の中で数少ないバラの描写力の高い香水だ。


ローズ系の香水は複数持っているのでいつか比較でもしようかと思いつつ季節を選ぶのでなかなかできないでいる。
諦めてひとつひとつ書いていきたい。




フレデリックマル ユヌローズ
調香師:エドゥアール・フレシェ

頭痛時の使用:概ね可能

【香りについて】
エドゥアール・フレシェの「ユヌ ローズ」は、薔薇の豪奢さにトリュフで陰影を与えることで、優美さを極めたパルファムです。フルーツとハニーで溢れるターキッシュ ローズ アブソリュートは、ゼラニウムとワインの澱でさらに印象を強めます。ベチバー、パチュリ、そしてカストリウムは、花のベジタルな香りと纏う者のスキンセントを見事に融合させます。「ユヌ ローズ」は、まるで庭に咲く薔薇を根ごと抜き出したような、アーシーなアロマが肌から香り立つパルファムなのです。それが「ユヌ ローズ」であり、至高の薔薇なのです。

【香りのノート】
Top:ローズ
Base:トリュフ(ベチバー、パチュリ、カシュメラン)


以上はかつての下記サイトから転載したもの。
https://www.mistore.jp/shopping/product/900000000000000001257087.html


フレデリックマルは珍しくボトルサイズにバリエーションのあるメゾンで、ユヌローズも10ml、30ml、50ml、100mlで展開されていた。
しかし10mlはなかなか入荷されないので事実上30mlが最小サイズとなっていた。


すべて過去形である。
ユヌローズは2021年、我々の目の前から姿を消したの…
(ショックで白目を剥く少女漫画ヒロインの顔)




ユヌローズは最愛の薔薇香水であった。
まだその香りを嗅ぐ前から体が欲していた。

https://twitter.com/perfume_paprika/status/1065367506670444544?s=21


姿を消す一年前、2020年のサロンドパルファンでやっと手に入れてからは、気合を入れたい日もゆっくりしたい日もなんでもない日も、寝食を共にした。


2022.6追記
名前を変えて戻ってきました😭
感涙



一吹きしてその香りを含んだ空気を鼻から吸い込んだ瞬間、目の前に広がるバラ畑

一陣の風が吹き、舞う深紅の花びらと私のつばの広い帽子

乱れた髪をかきあげ、ふと気がつくと手には一本のバラ
織り重なった肉厚の花弁、
指に伝わる茎の棘の硬さ、
ふくよかなハニーとペッパーの香り、、、


「ハ?ハニー?ペッパー?イタリアンピザか?」

これはドゥマシー氏の特集が何かでテレビ番組に出たディオール専属のローズドゥメの農家さんが、バラはざまざまな香りを複雑に含んでいて、この種類はハニーとペッパーが香る」というようなことをおっしゃっていた時に感じた私の感想。
(これはドゥマシー氏の映画ではなくフランスを巡る旅みたいなNHKでやっていた番組で…記憶が朧げなので詳細が判明したら追記します)


実際にローズガーデンなどに行って何種類ものバラの花の匂いを嗅ぐとだんだんわかるようになるんだけど、たしかにハチミツの香りがするし、たしかに胡椒の香りが含まれた品種がある。


(あとこれは何回も言っててあまり人に理解されないんだけど私はバラ科の花のその胡椒具合やまろやかさは

焼肉屋で出てくる韓国風ワカメスープ」

に似てると思うんだけど特に賛同されないから気のせいですね。
四月の満開の桜の花にも感じたので、バラ科の花特有のワカメ感?海藻感?があるんだよなぁと思っているんだけど、ネ…)



一陣の風がすっかり過ぎ去ったあと、
北島マヤも顔負けのキラキラの瞳で、
背景に薔薇を背負った私はいうのです

「真紅の薔薇の人…」


(言わない)
(紫ではない)
(がらかめ読んだことないすみません)



ユヌローズはウッディスキンの私の場合、
多くの場合トップにフルーティさが際立つのも面白い。店舗では出なかったから、湿度と温度によるものだと思う。

ミドル以降は花弁を感じさせるバラの香りなのに、
トップは洋梨やピーチのようなジューシーな甘さがでる。


同じ生花の香りがするルタンスのサマジェステラローズとはここが大きく異なる。


サマジェステラローズは液体の色からも「黄色いバラの人」であって真紅の雰囲気はなく、
花びらが薄い、もっと繊細な花の印象が強い。

香りももっと高音域のバラで、地面に根を張っていたことを思わせない高貴さがある。

だからバラの"女王"なのかな?土臭さがない。


五月に薔薇畑で咲き誇るバラのひと枝がユヌローズなら、
サマジェステラローズは秋に花瓶に入れられた淑やかな秋バラ。


どちらも生花の表現をしているけど、
方向性が異なって面白い。

どちらも……もう……日本では………ウッウッ


ユヌローズもサマジェステラローズもグランバルもアラニュイも、この世に、日本に、帰ってきて……